
AI 活用
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AIエージェントは、目的を伝えると、ウェブサイトを開く、表に書き込む、メールを用意する、といった手順を自分で進めるAIです。ChatGPT や Gemini など、身近なサービスにもこの機能が入り始めています。
便利な半面、質問に文章で答えるだけのチャットとは違い、AIが「操作」まで行います。間違えたときの影響も、そのぶん大きくなります。この記事では、国のガイドラインと各社の公式の説明をもとに、IT の専任者がいない中小企業や店舗が、使い始める前に決めておきたい5つのことをまとめました。
総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日公表)は、AIエージェントを「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム」としています。
| 比べる点 | チャットのAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| すること | 質問に文章で答える | サイトを開く、入力する、送る・予約する、まで進める |
| 使う人の役目 | 答えを読んで、使うかどうかを決める | 任せる範囲を決め、大事な操作の前に確かめる |
| 間違えたとき | 人が使わなければ、外には出ない | 操作の結果が、そのまま社外に届くことがある |
総務省・経済産業省がまとめたガイドラインの更新内容の資料では、AIを使う側(AI利用者)に向けて、AIエージェントなどは自律的に動くため「定期的な操作履歴確認や報告」が重要だと書き加えられたほか、「人間の判断を介在させる仕組み」や「データ最小化」(渡すデータを必要なものだけにすること)の重要性も追記されました。この3つが、この記事の5つの決めごとの土台になります。
まず、サービスの側が用意している仕組みを知っておきます。会社のルールは、これを前提に足りない部分を補うものです。
| サービス | 公式の説明にある仕組み |
|---|---|
| ChatGPT のエージェント機能(OpenAI) | 重要な操作の前に許可を求める。使う人はいつでも中断、引き継ぎ、停止ができる。引き継いで入力したパスワードなどは、集めることも保存することもしない。銀行振込のような危険の高い作業は断るように訓練されている |
| Gemini のタスク機能(Google) | 連絡の送信、データの変更や削除、購入などの前に確認を求める。ログインが必要な画面では、使う人に引き継いで手で入力してもらうことがある |
※ Gemini のタスク機能は、Google のヘルプによると、有料の Google AI Pro か Ultra の契約が必要で、仕事用・学校用のアカウントでは使えません。機能の中身や使える条件は変わることがあるので、使う前に各社のヘルプを確かめてください。
どちらの会社も、仕組みだけで危険を防ぎきれるとは書いていません。Google のヘルプは、使う人が見守ることが、リスクから身を守るいちばん大事な方法だとしています。そこで、会社として次の5つを決めておきます。
最初は、間違えても社外に影響が出ない仕事から任せます。
ChatGPT は銀行振込のような作業を断るように訓練されていますが、それを頼りにせず、会社のルールとして「任せない」と決めておきます。

「送る」「買う」「予約する」「消す」「公開する」の前は、必ず人が確かめる、と決めます。各社のサービスも、送信や購入などの前で止まって確認を求めます。OpenAI は、確認を求められたら、AIが正しいことをしようとしているかをよく見るように勧めています。

渡すデータは、その仕事に必要なものだけにします。お客様の名前や電話番号が要らない作業なら、消してから渡します。
個人情報保護委員会は、生成AIに個人データを含む指示を入力する場合について、利用目的の範囲内かどうか、サービスの事業者がそのデータを機械学習に使わないこと等を、十分に確かめるよう求めています。法人向けの契約や設定で、入力が学習に使われるかどうかを確かめておきましょう。
OpenAI も、AIが使える大事なデータやログイン情報を、作業に必要なものだけに絞るよう勧めています。
AIエージェントは、人が画面を見ていない間も作業を進めます。何を頼み、AIが何をしたかを、決まった人が決まった頻度で見返します。たとえば「週に1回、金曜日に、担当者が操作の記録を見て、気になった点を朝礼で共有する」のように、具体的に決めておきます。

AIエージェントならではの注意が、プロンプトインジェクションです。ウェブページやメール、文書の中に、人には見えにくい形で指示が書かれていて、それを読んだAIが、使う人の頼んでいないことをしてしまう攻撃です。Google も OpenAI も、公式の説明でこの危険を挙げています。IPA(情報処理推進機構)も、AIの利用者にも警戒が必要な攻撃だとしています。
使う側でできることは、次のとおりです。
5つの決めごとは、A4 の紙1枚の表にして、使う人全員で共有します。
| 項目 | 決めることの例 |
|---|---|
| 任せる仕事 | 調べもの、比較表、下書き、社内の集計 |
| 任せない仕事 | 送金・支払い、契約、人事の評価、お客様への送信 |
| 人が確かめる場面 | 送る・買う・予約する・消す・公開する、の前。確かめる人は頼んだ本人 |
| 渡さないデータ | お客様の名前・連絡先、パスワード、契約の金額 |
| つなぐサービス | 使うものを名前で書く(例:社内の共有フォルダだけ) |
| 記録を見る人と頻度 | 担当者が週に1回 |
| 困ったときの連絡先 | 社内の誰に、どう伝えるか |
始めるときは、仕事を1つだけ選び、2週間ほど試してから、表を直して広げていくと無理がありません。
経済産業省は2026年9月、AIエージェントを使う事業者向けに、セキュリティ対策の好事例を取りまとめる検討を始めました。資料では、AIを使う側の民間企業が参照できる実務的なガイドラインはまだない、と整理されていて、令和8年度中(2027年3月まで)の公表を予定しています。公表されたら、この記事のルール表と照らし合わせて見直すとよいでしょう。
AIエージェントは、決めごとを先に作っておけば、任せやすくなります。社内のどの仕事から試せばよいか迷うときは、MODS BASE にご相談ください。
MODS BASE
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