
AI 活用
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「Google の AI や ChatGPT から、御社の予約を直接受けられるようになります。MCP サーバーを作りませんか」。開発会社からこんな提案が届いて、今お金をかけるべきか迷っている方に向けて書きます。社内の業務に AI をつなぐ話ではなく、自社のサービスを外の AI に開く側の話です。
先に結論です。日本国内のお客様が中心の会社なら、今すぐ大きく投資する段階ではありません。2026年11月の時点では、Google 検索でこの仕組みが使えるのは米国・英語だけです。ChatGPT は国を指定して公開する仕組みですが、国内のお客様が AI 経由で予約する場面がどれだけあるかは、まだ読めません。費用や審査の期間も公表されていません。一方で、お金をほとんどかけずにできる準備はあり、条件が合う会社なら小さく試す価値もあります。この記事では、分かっていることとまだ公表されていないことを公式の発表で分けたうえで、自社がどの段階にいるかを判断する手順と、提案を受けたときに確かめることをまとめます。
これまでの AI のチャットは、ウェブの情報を読んで答えるのが中心でした。いま広がっているのは、AI がお客様の代わりに外のサービスを操作する使い方です。たとえば「来週の火曜に2名で予約できる店は?」と頼むと、AI が予約サービスにつないで空き状況を調べ、予約の手前まで進めます。
このとき、AI と会社のシステムのあいだをつなぐ決まりが MCP(Model Context Protocol)です。公式サイトは、AI のアプリにとっての USB-C のような共通の差し込み口、とたとえています。Anthropic が始めた規格で、2025年12月に Linux Foundation 傘下の Agentic AI Foundation に寄贈され、OpenAI や Google も参加する場で育てられています。MCP サーバーは、自社の予約や見積もりのシステムを、この差し込み口の形で AI に開くための窓口のプログラムです。

大事なのは、MCP が特定の会社のものではない共通の規格だという点です。Google も OpenAI も、外のサービスをつなぐ方法として MCP を使っています。1つの MCP サーバーを、複数の AI の窓口に使い回せる可能性があります。
2026年10月28日、Google は Connected Apps Platform を発表しました。会社や開発者が、自社のサービスを Google 検索と Gemini アプリにつなぐための仕組みで、1回作れば両方に出せる、と説明しています。ただし、まだプレビュー(試験的な公開)です。ChatGPT の側も含めて、公式の発表とヘルプから分かることを表にしました。
| 項目 | Google(検索・Gemini) | ChatGPT(OpenAI) |
|---|---|---|
| 今の状況 | 開発者向けの仕組みはプレビュー。開発者、国、対象の製品を段階的に広げる予定 | 2025年12月にアプリの提出の受付を開始。2026年7月9日に、アプリの一覧はプラグインの一覧へ移った |
| 日本で使えるか | 検索の Connected Apps は米国の AI モード、英語のみ。Gemini アプリは地域・言語・端末によって異なる | 国ごとに公開先を指定して提出する。使えるかどうかはプラン・設定・地域などによる |
| つなぎ方 | クラウドに置く MCP サーバー、または Android の AppFunctions(Android アプリの機能を AI に開く仕組み) | MCP サーバー |
| お金のやり取り | 決済の仕組みの説明は見当たらない。お金のやり取りをする操作には、印か確認の指定をポリシーで求めている | 売れるのは今は物理的な商品だけで、決済は自社のサイトやアプリへ移って行う。デジタルの商品やサービス(月額の契約を含む)は売れない |
| 費用・審査の期間 | 公表なし | 公表なし |
この表から言えるのは、仕組みの土台(MCP)は固まりつつある一方で、日本のお客様に届く場面と効果は、まだ読めないということです。Google 検索は米国・英語に限られ、ChatGPT は提出のときに公開する国を指定する仕組みで、使えるかどうかは利用者のプランや地域などにもよります。開発費の相場も、公式の資料には出てきません。提案の金額が妥当かどうかは、後で紹介する確認の項目で中身を見て判断してください。
同じニュースでも、会社によって打つ手は違います。次の4つの質問で、自社の位置を確かめてください。
1と2の両方が「はい」なら、試作から始める価値があります。どちらかが「いいえ」なら、まずは次の段階0までで十分です。

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」の付属資料は、AI エージェントのリスクとして、次のように書いています。
AI エージェントの場合、自律的な動作の中で人間の意図しない商品の注文やファイル削除等の動作を行う可能性がある
予約や見積もりを受ける会社にとっては、まさに自社の受け付けで起こりうることです。同じ資料は、外部のシステムと連携する過程で攻撃を受け、内部のデータが外に送られるおそれにも触れています。
守り方の基本は、内容を変える操作の前に、お客様本人の確認を挟むことです。Google の開発者向けの説明でも、MCP サーバーのツールごとに「見るだけ」か「内容を変える」かの印を付け、確認が必要な操作を指定する仕組みを用意しています。取り消せない操作には、この印か確認の指定を付けるよう、ポリシーで求めています。

もう1つは、AI に渡す権限を最小にすることです。MCP の公式のセキュリティの説明は、権限を必要な範囲から少しずつ広げる作り方を勧め、MCP サーバーが自分あてに発行されていない鍵(トークン)を受け取ることを禁じています。開発を頼むときは、こうした決まりを守る作り方かどうかを確かめてください。
開発会社に「MCP サーバーを作りませんか」と言われたら、見積もりの前に次を聞いてみてください。答えがはっきりしているかどうかが、提案の質を見分ける目安になります。
見積もりの金額は、主に次で変わります。今の予約や見積もりのシステムに、外からつなぐ口(API)がすでにあるか。お客様のログインの仕組みを新しく作る必要があるか。AI に開く操作の数と、内容を変える操作を含むか。公開した後の保守をどこまで頼むか。
この10項目に答えられる提案なら、金額の比較もしやすくなります。逆に、日本で使える時期や効果を言い切る提案は、公式の発表の範囲を超えていないか確かめたほうが安心です。
MODS BASE では、予約やお問い合わせの流れの見直しから、AI とつなぐ仕組みの試作までご相談をお受けしています。どの段階から始めるかを一緒に整理したいときは、お気軽にお問い合わせください。
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